>南大隅で農業生活

南大隅町では、就農支援制度を充実し、万全の体制で新規就農者をサポートします。

南大隅町は、三方を海に囲まれ、本土最南端に位置し、北緯 31 度線上にあることから気候も温暖で農業が盛んな町です。水稲や春ばれいしょに加え、亜熱帯性の気候を活かしたパッションフルーツやマンゴー、アボカド、山間部では畜産業も盛んで、肉用牛や豚、ブロイラーの生産も行われています

パッションフルーツ
南大隅町地図

南大隅町の新規就農者の実際の状況
ケース別に紹介します。


就農の動機や、南大隅での暮らし方など、ライフスタイルは人それぞれです。

町外からやって来て、新しく農業を始めた方の、現在の様子を、ケース別にレポートします!

case.1 濱田 祐一朗さん
イラスト

南大隅町で就農し、
トロピカルフルーツを生産

 濵田祐一朗さん(51歳)は、南大隅町の温暖な気候を生かしたトロピカルフルーツの栽培を行っています。前職はサラリーマン。国際協力機構(JICA)などの委託を受け、東南アジア各地を回り、河川防災などの建設コンサルタント業務に携わっていました。日本に戻った濵田さんは、「海外を転々としていたので、できれば1カ所に定住して、じっくり仕事をしたい。」と新しい生き方を模索。

 東京から父親が暮らす鹿屋市に戻ってきたのが2009年。しかし、鹿屋は桜島の降灰の影響を受けやすいので、他の場所に定住しようと考えたといいます。最初はねじめ農園で職員募集があり、採用され、定住の足掛かりができました。

「一人でやろうという気持ちはあったけどスキルがなくて、法人に入ったんです」。そこでの栽培は、ネギやサツマイモが主でした。南大隅町に移住して丸7年が過ぎ、ようやく2年前に独立。露地植えのアボカド5アールから生産をスタートしました。その後、耕作放棄地だった畑をビニールハウスごと借り受け、栽培面積を20アールにまで広げました。「最初はビニールハウスの天井まで生い茂った草木を払って、ハウスの基礎をコンクリートで養生するところから始めました。ハウス栽培にアボカドやパイナップル、パッションフルーツを選んだのは、他の人と生産品目が競合しないようにしたかったから。朝は8時ぐらいから、夕方は5時ぐらいまで作業し、天気次第では休みもない根気のいる仕事ですが、組織に属さないのでストレスフリーですよ」と笑います。

 今ではゴールドビーチで知られる大浜に自宅も新築。魚釣りが趣味の祐一朗さんの悠々自適な暮らしぶりを見て、弟家族4人も神戸から移住してきました。うれしいことに、一緒に農業に従事しています。鹿屋に住む両親も様子を見にきては草取りや収穫など、祐一朗さんの農作業を手伝ってくれるそうです。

 南大隅町には果樹の営農指導員がいて、助言や指導をしてくれる環境が整っています。「町の入植制度などが活用できるので助かっています。アボカドはようやく収入につながるまでになりました。パイナップルは2017年の10月に植えて2018年出荷できましたが、まだまだこれからです」。つなぎになるのが、パッションフルーツ。1年1年お金になるので助かるそう。「アボカドやパイナップルは、農協に出荷し、一部を地元の直売所である「なんたん市場」に出荷しています。営業より作る方に集中しています。収入はサラリーマン時代より大幅に減ったけど、家も建てられたし、ここでの暮らしに満足しています」と生き生きとした表情の祐一朗さんです。

濱田さんの写真
就農アドバイス
岩下恭一さん

南大隅町役場経済課
(果樹営農指導員)
岩下 恭一さん

 濵田さんの就農については、技術指導のほか、南大隅町の農業者入植促進事業という制度でサポートさせていただきました。これは、南大隅町で新たに自立する方を対象に、就農奨励金を交付するという内容で支援を行うものです。そのほか、農協や直売所などの販路の紹介等を行いました。濵田さんの場合は、コンサルタントだったというキャリアの方で、農業への理解も早く、上手に農業をスタートできたケースだと思います。

case.2 馬場園 仁孝さん
イラスト

南大隅町で就農し、
畜産(黒牛)を飼育

 2017年4月に南大隅町で肉用牛の飼育を始めた馬場園仁孝さん(25歳)。

 「薩摩半島にある実家でも親が黒牛を約20頭飼育しているんですが、周辺の宅地化が進んで規模拡大ができなくて。僕はもっと広い土地で肉用牛の飼育を始めたかったんです」

 そこで、県内で使われなくなった牛舎と土地を探し、南大隅町の紹介で見つかったのが現在の施設でした。「母親の実家が南大隅町にあるので、生活の拠点にできると思ったのは確かです」

 馬場園さんは、県立市来農芸高校や県立農業大学校で農業や畜産を学び、南九州市にある黒牛の畜産会社に勤めた後、独立しました。

 土地や牛の購入代、開業資金として、日本政策金融公庫から青年等就農資金(新たに農業経営を開始する青年を応援する無利子の資金)を借り入れ、事業をスタート。子牛や妊娠牛の購入は、役場の指導員と同業の先輩に、肝属市場で好まれる血統の牛を相談しながら、1年かけて30頭を導入しました。

 「鹿屋市にある大きな畜産会社で弟が働いています。学校の先輩たちも大隅半島の各地にいますが、やはり南大隅町で畜産をやっている先輩や役場の人、JAの人たちに指導してもらうことが多いです。購買者がどういう血統の子牛を求めているか、病気の予防はどうするかなどを聞けて、とても助かっています」

 持ち前の人懐こさを生かし、情報収集している馬場園さん。事業を始めるときに最長5年間、年間150万円交付される農業次世代人材投資資金を利用しました。

 着々と経営力を身に付けており、早期出荷で90万円を超える子牛の販売も経験しましたが、「今は30頭で、エサ代などのコストを考えると、安定して利益を出すには中途半端な状態。早く倍の60頭を飼育できるようになりたい。牛舎拡大の追加融資も受けたいです」と、若さを武器に、前向きに取り組んでいます。

馬場園さんの写真
就農アドバイス
岩下恭一さん

南大隅町役場経済課
(畜産係長)
湊原 裕二さん

 馬場園さんの就農は電話相談からスタート。南大隅町にある母親の実家を生活の拠点に、通いで畜産を始めたいというものでした。そこで、町内の遊休施設を紹介して初期投資を抑え、国からの融資を子牛や妊娠牛の導入に当てられるよう指導しました。飼育目標頭数に達し、今後は、分娩等の簡易牛舎が必要です。2019年からは償還が始まるので、早期出荷の指導を行います。前職で技術を得ての就農なので、増頭の助成事業にも助けられながら、事故等もなく順調に営農できています。

case.3 成尾 亮さん
イラスト

南大隅町で就農し、
ハウスで促成ピーマンを生産

 ピーマンを生産する成尾 亮さん(35歳)は、28歳でUターン。戻ってすぐは実家の農業の手伝いからスタートし、独立してピーマンの作付を始めてからは3年目です。

 国立鹿児島工業高等専門学校では機械工学を専攻し、東京で電子関係の会社に就職した成尾さん。モバイル開発の競争激化で会社が規模縮小に転じたのをきっかけに、早期退職でUターンを決めたといいます。

  実家は畜産を中心とした農家で、中学生の頃に手伝った経験もありますが、本格的に就農するとなると話は別。まずは、町の農業者入植促進事業を活用して、1年間月額4万円の就農奨励金を受けました。次に、年間150万円を最長5年間受けられる農業次世代人材投資資金の経営開始型を活用し、2年目になります。

 これまでは12アール(1200㎡)のビニールハウスでピーマンを栽培。売上が550〜600万円で、4割強を資材費や運転コストに費やしてきました。2018年11月には桜島降灰対策事業の新しいハウスも完成し、全体で27アールにまで面積を拡大。

 栽培のノウハウは、ピーマン部会の先輩に話を聞いたり、ネットで調べたりしながら習得。「11月末の今は糸につるを巻き付ける垂直誘引の作業が主です。暖かくなると1日に数㎝伸びるんです。1人で1日4畝(うね)ぐらい作業できるので、3日あれば一巡できます」と成尾さん。

 「今後は、年収で500〜600万円ベースを目指しつつ、父親の畜産と合わせて農業の経営安定を図っていきたいです」。ちなみに、現在は牛25頭を飼っていて、「小規模農家としては多過ぎ、中規模農家としては少ない頭数なので、人を雇い入れながら倍の50頭に増やして事業を拡大していきたい」そう。

 促成ピーマンの収穫を楽しみに、農業に情熱を注ぐ力強いファーマーです。

成尾さんの写真
case.4 樋之口 久孝さん
イラスト

南大隅町で就農し、
ハウスでインゲンを生産

 インゲン生産農家の後継者として5年前にUターンした樋之口久孝さん(47歳)。帰郷後しばらくは父親の生産を手伝っていました。自分のハウスを持ってインゲン栽培を始めたのは2年前。まったくの新規就農ではないため、町の農業者入植促進事業の助成金月4万円を利用し、さらに、第1次産業成長化支援事業でトラクターや暖房機購入代金の15%助成を受けました。ハウスは4連棟と3連棟を整備。国と県からの桜島降灰対策事業で整備費の65%を賄い、先ほどの支援事業の15%助成を上乗せして、合計で80%の補助を受けました。

 「就農支援制度があるから、始められたんです」と力のこもった言葉は、単純明快にして、ずっしりと重みを伴った響きです。

 樋之口さんは、「中学生の頃に暖房インゲンを手伝ったことはあります。でも、電気工学系の大学に進み、中退後に大手企業に就職して、その後は測量専門学校を経て測量コンサルタント会社で10年間働いて、ようやく地元に戻ったので」と農業とはほぼ無縁だったこれまでを振り返ります。

 今は、17アールの暖房インゲンを自分の手で生産する喜びはもちろんのこと、「誰かに指図されることがないので、毎日伸び伸びと過ごせます」と田舎暮らしならではのメリットを享受している様子。インゲン栽培の準備が始まるのは9月。畑の土を消毒し、10月にはハウスにビニールをかぶせます。10月半ばに植え付けしてから暖房の準備。一番最初のインゲンの出荷は12月半ばから。年明けには、次に備えて追肥します。

 ハウスでの作業は主に1人ですが、両親も手伝いにきてくれるそう。「収穫時は一斉に摘み取らなければならないので2、3人でも追い付きません。この時ばかりは人を頼んでいます」。収穫したインゲンはJAに出荷しています。「値崩れしないので」と樋之口さん。インゲン生産による年収はおおよそ500万円です。繁忙期以外はバレイショや米の生産も行いますが、「今後は、ここの気候に適したパイナップルなど他の作物にも目を向けていきたい」と意欲的です。

馬場園さんの写真
就農アドバイス
岩下恭一さん

南大隅町役場経済課
(野菜営農指導員)
池田 重市さん

 南大隅町では温暖な気候を活かした野菜の露地栽培が主体でしたが、たびたび寒波に見舞われるなど、後継者が農業で生計を立てるには苦しい状況でした。そこで、国の支援を利用し、5、6年かけて毎年30アール以上のハウス導入に踏み切りました。2018年はピーマン農家3人がハウスを作り、2019年は暖房インゲン3人が予定しています。ハウス導入に伴い、特産作物としてのめども立ち、新たな就農希望者も出てきました。市場よりも価格が安定するJAとの契約販売などで経営の安定化を指導しています。

case.5 大杉 祐輔さん
イラスト

南大隅町で就農し、
養鶏・有機栽培に挑戦

 岩手県盛岡市出身で東京農業大学卒の大杉祐輔さんは24歳。大学卒業後2年間は栃木県で有機栽培を学び、2018年4月に南大隅町で新規就農しました。「まずは放し飼いの養鶏から始め、こだわりの鶏卵を市場に流通させ、ゆくゆくは野菜等の有機栽培にも取り組み少量多品種を生産していきたい」と思いを描きます。

 大杉さんと南大隅町との出合いは、東京農業大学時代に所属したサークル「アジア・アフリカ研究会」がきっかけでした。同サークルは国際協力事業や農に関する関心・知識を深め、自己の確立を求めることを目的にしています。毎年、春は約2週間、南大隅町で農家に泊まって農業実習合宿を行っています(ちなみに夏は岩手県岩泉町で同様に実施)。

 大杉さんは、「大学1年のゴールデンウィークに初めて南大隅町に来ました。自然の豊かさや人の温かさに触れて、すっかり気に入りました。人付き合いが苦手な部分も、農家の人から話しかけられて応えていくうちに慣れ、自分が変わっていくのが分かりました」。

 時間を見つけては、たびたび南大隅町を訪れていた大杉さん。「ここがふるさとのように感じられ、自分の原点があるような気がしたんです」と語ります。

町の空き家バンクで物件探しを始めたものの、交渉が難航し、結局、横別府に鶏舎と家を求められたのは、「一足先に移住していたサークルの先輩や合宿でお世話になった農家の人たちの支援のおかげ」と感謝しています。

 大杉さんは南大隅町のアドバイスを基に、最長1年間奨励金が受けられる農業者入植促進事業を活用(大杉さんの場合は月額10万円)。9月にようやく採卵用のヒナを100羽仕入れ、周りの野菜農家の協力をもらいながらエサ集めに奔走。鶏舎の整備も着手したばかりで、実際に採卵できるのはまだまだ先です。養鶏はまさにゼロからのスタート。有機栽培の畑の準備もしながら、主軸を置く養鶏で「400羽まで増やす」という大きな夢に向かって全力疾走中です。

大杉さんの写真
南大隅町の就農支援制度

新規就農者研修制度事業

南大隅町の生産組織等で受ける農業研修に必要な生活資金や研修終了後の就農に必要な資金を支援します。

世帯 月250千円(12か月)

単身 月150千円(12か月)

就農支援資金 500千円

農業者入植促進事業

新規就農者等の就農促進や定着化、農業技術の習得及び就農支援を行うことを目的として対象者に就農奨励金を交付します。

生活・生産基盤の状況により、
月40千円~120千円(12か月)

果樹振興対策事業

南大隅町の立地条件を生かした品目とアボカドやパイナップル、そして、地理的表示保護制度(GI)として認証された辺塚ダイダイの生産拡大に伴う苗木の購入に対して支援を行います。

苗木助成 (アボカド、パイナップル、辺塚だいだい)1/2助成

ほかにもいろいろな支援制度を準備しています

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南大隅町の文化と自然

東部から半島の中央部にかけて肝属山地が広がり、平地は錦江湾側に多少残されています。九州本島最南端で、大隅海峡を流れる黒潮の影響もあるため、高温多湿の気候条件にあり、亜熱帯性の植物も多数みられます。九州本島としては非常に珍しい亜熱帯性の植物等の豊かな自然があることから、霧島錦江湾国立公園、大隅南部県立自然公園の指定を受けています。

雄川の滝

NHK 大河ドラマ「西郷どん」のオープニングのロケ地として使用され、人気観光スポットになった雄川の滝。南大隅町の根占地区を流れる雄川上流にある落差46m、幅60mの滝です。駐車場から滝つぼまでは、約1,200mの遊歩道があり、渓流の音に癒されながら自然と一体になれる癒しのスポットです。

佐多岬

九州本島最南端北緯31度線上に位置し、南端の断崖から50メートル沖の大輪島に日本最古の一つである佐多岬灯台があります。この灯台は、イギリス人の設計で明治4年に完成。昭和20 年の空襲で焼失、現在の灯台は昭和25年復旧したものです。太平洋、東シナ海、錦江湾に面し、晴れた日には種子島、屋久島を見ることが出来ます。眼下にはコバルトブルーの大海原が広がります。

南大隅町は新規就農希望者をお待ちしています。どんな内容でも、お気軽にご相談ください。

お問い合わせはこちら

鹿児島県南大隅町役場

〒893-2501 鹿児島県肝属郡南大隅町根占川北226
電話番号:0994-24-3128 ファクス番号:0994-24-3119

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